せっかく建てたばかりのマイホームなのに、朝起きると窓が水滴でびしょびしょになっていると悲しくなりますよね。新築だからこそ起きる結露の正体を知ることで、その悩みはすっきりと解決できます。私はこれまで多くの住宅建築に携わってきた専門家として、数多くのご家庭でこの問題を解決してきました。この記事では、小さなお子様がいるご家庭でもすぐに取り組める、具体的で効果的な方法を分かりやすくお伝えします。
目次
新築の家の窓に結露ができる原因
せっかくの新しいお家なのに窓が濡れてしまうのは、実はお家が新しくて元気な証拠でもあります。結露が発生する大きな理由は、お部屋の中の温度と外の温度に大きな差があることです。冬に冷たい飲み物をコップに入れると、外側に水滴がつきますよね。あれと同じことが、お家の窓でも起きているのです。特に最近のお家は隙間がなく作られているため、一度お部屋に入った水分が外に逃げにくいという特徴を持っています。まずは、どうしてお部屋の中に水分が溜まってしまうのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
新築の家には水分が隠れている
お家が完成してから1年目から2年目の間は、目に見えない水分がお部屋の中にたくさん隠れています。コンクリートや木材などの建材は、工事のときにたくさんの水分を含んでおり、それが少しずつ空気中に出てくるからです。
- 基礎のコンクリートが完全に乾くには時間がかかる
- お家の骨組みである木材からも水分が抜けていく
- 壁紙を貼るための「のり」からも湿気が出る
このように、お家そのものが呼吸をするように水分を吐き出している状態なのです。これは欠陥ではなく、新しいお家が安定していくために必要な通り道といえます。そのため、古いお家よりも新築のほうが湿気が多くなり、窓が濡れやすくなる傾向にあるのです。この仕組みを理解しておくだけでも、少し安心できるのではないでしょうか。
外の寒さが窓に伝わる仕組み
窓がびしょびしょになるのは、外の冷たさが窓のガラスを通じてお部屋の中に伝わってくるためです。お部屋の暖かい空気が、冷え切った窓ガラスに触れることで急激に冷やされ、空気中にいられなくなった水分が水滴に変わるのです。
- 窓ガラスは壁に比べて熱を通しやすい
- アルミの枠はプラスチックの枠よりも冷たくなりやすい
- カーテンを閉め切ると窓際だけがさらに冷える
暖かい空気はたくさんの水分を抱えることができますが、冷たい空気は少しの水分しか持てません。そのため、窓際で冷やされた空気は、抱えきれなくなった水分を[結露]として窓にくっつけてしまうのです。特に夜から朝にかけて外の気温が下がるときは、窓もキンキンに冷えてしまうため、最もお水がつきやすい時間帯となります。
窓の結露を放っておくリスク
窓についているお水をそのままにしておくと、お家や家族の健康に悪い影響が出てしまいます。結露はただの「お水」ではなく、お家を傷める原因になる怖い存在だと考えてください。放っておくと、後から高いお金を払って修理しなければならなくなったり、お医者さんに行かなければならなくなったりするかもしれません。大切なお家で長く幸せに暮らすために、結露が引き起こす困ったトラブルについてお話しします。
カビが増えて体が病気になる原因
窓の周りがいつも湿っていると、そこには必ず[カビ]が生えてきます。カビは湿気が大好きで、放っておくと壁紙やカーテンにまで広がって、家族の健康を害する恐れがあるからです。
- カビの胞子を吸い込むと鼻水や咳が出やすくなる
- アレルギーの原因になって肌が痒くなる
- カビを食べるダニが集まってきてしまう
小さなお子様がいるご家庭では、特に注意が必要です。まだ体が未発達な子供たちにとって、空気中の汚れは大きな負担となります。窓枠に黒い点々が見えたら、それはカビが成長しているサインです。見た目が汚くなるだけでなく、家族が病気になってしまう前に、しっかりと対策を立てることが重要になります。
新築の柱がボロボロになる危険
目に見える窓の表面だけでなく、壁の内側でも結露が起きている可能性があります。お家の土台や柱が常に湿った状態になると、木が腐ってしまってお家全体の強さが弱くなってしまうからです。
- 湿った木材は大好物なシロアリを呼び寄せる
- 木が腐ると地震が来たときに耐えられなくなる
- 壁の中が腐ると嫌な臭いが漂ってくる
せっかくの注文住宅やマイホームが、数年でボロボロになってしまうのはとても悲しいことですよね。窓の結露は「お家からのSOS」だと受け取ってください。表面を拭くだけでなく、お部屋の湿気を正しく外に逃がしてあげることで、お家の骨組みを守ることができます。お家を長持ちさせるためには、まずこの湿気という敵を退治しなければなりません。
今日からできる新築の結露対策
結露を防ぐためには、高い機械を買わなくても今すぐできることがあります。一番大切なのは、お部屋の中に溜まった余分な水分を外へ逃がしてあげることです。新築のお家には、必ず空気を入れ替えるための仕組みが備わっています。その機能を正しく使うだけで、窓のびしょびしょを大幅に減らせる可能性があります。プロの視点から、誰でも今日から実践できる簡単な方法をご紹介しますね。
換気ボタンを対策のために押す
今の新しいお家には[24時間換気システム]という、お部屋の空気をずっと入れ替える機械がついています。このスイッチを絶対に切らずに、常に回し続けることが結露を防ぐ最も効果的な対策になるからです。
- お風呂やトイレの換気扇も合わせて活用する
- 壁にある「空気の通り道」の蓋を閉じない
- お料理をするときは必ず換気扇を強く回す
電気代がもったいないからと消してしまう方もいますが、実は1ヶ月の電気代はジュース数本分くらいです。換気扇を止めてしまうと、お家の中に湿気が閉じ込められてしまい、あっという間に窓が濡れてしまいます。常に新しい空気を取り入れることで、お部屋の湿り気を外へ追い出し、サラサラな状態を保つことができます。
お部屋の空気を入れ替えて逃がす
機械に頼るだけでなく、自分の手で窓を開けて空気を入れ替えることも非常に有効です。一日に数回、窓を大きく開けて風を通すことで、お部屋の隅に溜まった重たい湿気を一気に外へ出すことができるからです。
- 朝起きたら全ての部屋の窓を5分間開ける
- 対角線上にある2つの窓を開けて風の道を作る
- 寝る前にも一度空気を入れ替えてリフレッシュする
特に冬場は寒いので窓を閉め切りがちですが、冷たい外の空気は乾燥しているため、天然の除湿機のような役割を果たしてくれます。ほんの少しの時間でも構いません。空気を動かすことで、窓際に停滞している湿った空気が入れ替わり、結露が発生しにくい環境を作ることができます。お子様と一緒に「空気の入れ替えタイム」を作ってみるのも良いですね。
原因に合わせた窓の結露対策
生活スタイルによっても結露の理由は変わってきます。家族の人数が多い場合や、赤ちゃんがいるご家庭では、知らず知らずのうちに水分をたくさん作り出していることがあるからです。お家の中でどのように過ごしているかを振り返り、使い方を少し変えるだけで、驚くほど窓の状態が改善することがあります。具体的な生活の知恵を使って、賢く対策を進めていきましょう。
加湿器を正しく使う結露対策
冬の乾燥対策に欠かせない加湿器ですが、使いすぎると窓が濡れる原因になってしまいます。お部屋の湿度が60パーセントを超えると、窓に結露がつきやすくなるため、適切な湿度を保つことが大切だからです。
- 加湿器を窓のすぐ近くに置かない
- 寝ている間は加湿器の設定を弱くする
- 湿度計を置いて数字を目で確認する
湿度が高すぎると、窓だけでなく布団や押し入れの中まで湿っぽくなってしまいます。加湿器を使うときは、お部屋の真ん中やエアコンの風が当たるところに置くのがおすすめです。そうすることで、水分がムラなく広がり、一部だけがびしょびしょになるのを防げます。潤いは大切ですが、適度なバランスを心がけることがポイントとなります。
窓の表面を拭いて結露を防ぐ
もし窓が濡れてしまったら、そのままにせずすぐに拭き取ることが大切です。水分を拭き取ることでカビの発生を抑えることができ、さらに窓の表面をコーティングすることで水滴を付きにくくできるからです。
- 乾いたタオルで朝一番に水分をしっかり拭き取る
- 食器用洗剤を薄めたお水で窓を拭くと水滴がつきにくい
- 結露取り専用の道具を使って楽しくお掃除する
「どうせまた明日も濡れるから」と思わずに、毎日リセットする習慣をつけましょう。汚れがついていない綺麗な窓は、実は結露がつきにくいという性質もあります。食器用洗剤には水を弾く成分が含まれているため、これで窓を拭いておくと、薄い膜ができて水滴が広がるのを防いでくれます。少しの工夫で、毎朝のイライラを減らすことができます。
プロが教える新築の結露相談先
自分たちで対策をしても全然改善しない場合は、お家の作りそのものに原因があるかもしれません。新築のお家には保証期間があるため、一人で悩まずにお家を建てたプロに相談することが解決への近道になるからです。住宅の性能は年々進化していますが、地域や環境によっては、さらに手厚い対策が必要なケースもあります。どこに相談し、どのような対策を検討すべきかを知っておきましょう。
お家を作った会社に原因を聞く
まずは、そのお家を建ててくれたハウスメーカーや工務店の担当者に連絡をしてみましょう。お家を建てた会社は、そのお家の構造や使っている材料を一番よく知っている最高の相談相手だからです。
- 点検のタイミングで窓の状態を写真で見せる
- お部屋の湿度や温度を伝えてアドバイスをもらう
- 壁紙が剥がれていないか一緒に確認してもらう
「新築なのに恥ずかしい」と思う必要はありません。むしろ、お家を長く守るために専門家を頼ることは、賢いオーナーの務めです。換気扇の使い方が間違っていないか、どこか機械が故障していないかなど、プロの目でチェックしてもらうことで、意外な解決策が見つかることもあります。定期点検の際などに、気になることは何でも質問してみるのが一番です。
二重の窓にする最強の結露対策
どうしても結露が止まらない場合に最も効果があるのは、窓を二重にすることです。今ある窓の内側にもう一つ窓をつける[内窓]という方法は、空気の層を作って外の冷たさを完全にシャットアウトできるからです。
- 工事は1日で終わるほど簡単で効果が非常に高い
- 外の音が聞こえにくくなりお部屋が静かになる
- 冬は暖かく、夏は涼しくなるので電気代が安くなる
これは後からでもできる工事で、多くのご家庭で「もっと早くやればよかった」と喜ばれています。特に北側のお部屋や寝室など、どうしても寒くなりやすい場所だけに設置することも可能です。今の窓を取り替える必要がないため、費用も抑えつつ、最高の結果を得ることができます。お家を長持ちさせ、家族が快適に過ごすための先行投資として、検討してみる価値は十分にあります。
参照元:国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律」、日本建築学会「結露の仕組みと対策ガイドライン」